唐沢 伝牧師
Tsutae Karasawa
略歴
1955年、長野県生まれ。16歳の時、松原湖バイブルキャンプに参加し、救われる。社会人経験後、1979年3月、東京キリスト教学園(神学校)を卒業し、高槻聖書教会に赴任。5年間の奉仕を終え、1984年4月から茨城県取手市の藤代聖書教会で奉仕を開始し、現在に至る。その間、少年院教誨師、筑波キングスガーデン、光風台幼稚園にて協力チャプレンを務める。1983年佐恵子師と結婚 。4人の子どもと孫6人が与えられる。2016年9月6日、日本国より、茨城農芸学院教誨師として、34年間に渡る奉仕に対し、法務大臣表彰を受ける。
2018年11月14日 藍綬褒章受章
2025年11月21日 瑞宝双光章受章
牧師の証し
「暗闇から光に」
私は、教誨師になって34年になります。私が少年院の教誨師の奉仕をすることになった理由は、私が高校生の頃、生きることに悩み苦しんでいたからです。
私はなぜ生まれてきたのか?
また、私はなぜ生きるのか?
そして、私は死んだらどうなるのか?
そんな悩みを抱えて、生まれて初めてキリスト教のキャンプに参加しました。そこで、イエス様を信じ救われたのです。私は神様によって造られた存在であること。また、私が生きるのは神様をあがめて喜んで生きるということ。そして、死後の世界は、無ではなく必ず復活があり、神様と共に生きる希望が与えられているということを教えられました。
「すべて疲れた人、重荷を負っている人はわたしのもとに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます」マタイ11:28 この主イエスが語られた御言葉によって救われました。
少年院は、17才から20才までの少年が入所します。私が深く悩んだ時と重なります。彼らは、傷害、暴行、窃盗、強盗、恐喝、不同意わいせつ、闇バイトなどの罪を犯し、その場所にいます。なかには置かれた環境がよくなかったゆえに犯した罪もあるでしょう。
しかし、私もイエス様に出会い、愛されている事がわからなかったら、同じようになっていたと思うのです。
私が罪から解放されるのは、命まで捨てて私を愛してくださったイエス様に出会ったからです。ある少年は「先生が俺の名前を呼んでくれた」と言って喜んでくれました。
少年たちは、誰かから愛されたいと願っています。だから、少年たちにイエス様に出会ってほしい、信じてほしい。そう願ってこの働きをしています。 私が、少年院の教誨師を始めて間もない頃、個人面接をしていた少年がいました。その少年がイエス・キリストを信じると言いました。そこで私は次の祈りを一緒にしました。「私は罪を犯してしまいました。神様と相手に悪いことをしてしまいました。悔い改めます。『ごめんなさい』。イエス様は、この私の罪の身代わりとなって十字架にかかって死んでくださってありがとうございます。そして3日目に罪を赦した証拠としてよみがえってくださったことを『ありがとうございます』。これからの人生はイエス様を信じて、新しく生まれ変わって生きていきたいと思います。イエス様のお名前によってお祈りします」それから1ヶ月がたって、12月には少年院全体で、キャンドル・ライトサービスがキリスト教教誨師の主催で行われました。
そして毎年、国際ギデオン協会から新約聖書がプレゼントされます。彼も聖書をもらって、毎日読むようになりました。年が改まり、1月に個人面接をした時でした。「先生、自分は不思議な力によって変えられました。今まで自己中心で、自分さえ良ければいいと思っていました。でもこの間、寮の仲間の1人が支給された歯ブラシを無くして困っていました。その時、自分は今使っている歯ブラシを捨てないで、支給された新しい歯ブラシを困っている仲間にあげました。すると、なんだか心の中が温かくなりました」と彼に言われました。私は心から嬉しく思いました。「あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい」ルカ10:27と言われたイエス様が少年の心の中に生きて働きかけてくださったのだと思いました。そして、このような小さな者を用いてくださる主に感謝しました。「私の兄弟たち。あなたがたは、私たちの主、栄光のイエス・キリストへの信仰を持っていながら、人をえこひいきすることがあってはなりません。』ヤコブ2:1「もし本当に、あなたがたが聖書にしたがって『あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい』という最高の律法を守るなら、あなたがたの行いは立派です。しかし、もし人をえこひいきするなら、あなたがたは罪を犯しており、律法によって違反者として責められます」ヤコブ2:8-9
私はこのような少年たちの隣人として面接させていただき、聖書を読み、お祈りをするたびに彼らが変えられていく姿を見させていただいています。少年院という刑罰を受ける所(暗闇)から、イエス様を信じて罪から解放され変えられて世の中(光)に出ていく姿こそ、罪からの脱出だと思います。現代社会は、さまざまに変化し、その中で生きる少年たちの身の上には、いろいろな事柄が降りかかっています。彼らは否応なしに傷つき、痛んで暗闇の中を生きています。イエス様の光がそのような少年たちに希望の光を与えてくださるように祈ります。また暗闇を歩んでいるすべての人々に、イエス様の光が与えられるように祈ります。
「私は世の光です。私に従う者は、決して闇の中を歩むことがなく、いのちの光を持ちます」ヨハネ8:12